6月はっけん授業 塩作り体験と南知多ビーチランド
6月のはっけん授業は6月27日に愛知県の知多半島(美浜町)に行きました。
本当は6月16日に南知多ビーチランドで行われる、ウミガメ放流の体験に行きたかったのですが、
コロナで中止になってしまったので、緊急事態宣言が開けた月末にリベンジで(ウミガメ放流はありませんが)南知多ビーチランドに行きました。
塩作り体験
みんなが楽しみにしていたのは、ビーチランドですが、
まずはその前に「食と健康の館」というところに行きました。
そこでは塩作り体験をします。
美浜町は昔から海水からの塩作りが盛んだそうです。
その塩作りのことを教えてもらえました。
この装置の一番上から海水を少しずつ流します。
すると、海水が屋根のような形に配置した枝を伝って下に落ちていきます。
その間に水分が蒸発していって、海水の濃度が濃くなります。
これを繰り返して、濃度の濃い「カン水」というものを作ります。(かん水は見た目は普通の水です)
そのカン水を煮詰めて、干すと塩ができるそうです。
上の写真は塩を干しているビニールハウスです。
今回は煮詰めるところを体験できました。
こういう感じで小さいお鍋にカン水が入っています。ここから塩を作っていきます。
このカン水はめちゃくちゃしょっぱいです。しかもしょっぱさだけでなく苦さもあります。(ニガリの苦さ)
海水とは全然味が違います。(成分は同じなんだろうけど、濃さが全然違う)
煮込んでいるとこういう感じで目に見えるぐらい塩が出てきます。
出てきた塩が鍋にこびりつかないようにスプーンで溶かしていきます。
水分が全部蒸発するとこんな感じで塩だけが残ります。(完全に水分が飛ぶのではなくちょっと湿っています。)
鍋が冷えるまで塩のことをいろいろ話を聞きます。
鍋が冷めたら塩をふきんの上に取り出します。
ふきんに包んで残っていた水分をギューっと絞ると
塩の出来上がり!
しかも海水から作った天然の塩!
この二人が持っている、白い粉の方が塩。もう一方のちょっと黄色っぽい液体はニガリです。
最後にふきんで絞った時に出てくる液体がニガリです。
こんなちょこっとのニガリでもお風呂に入れるとお肌がきれいになるそうです。
指の先にちょっとつけてなめるだけでも超苦いです。
今回はカン水が準備してもらえていたので、10分ぐらい煮込むだけでできましたが、海水から塩を取ろうとしたら、もっと大変だったと思います。(時間はだいたいです。夢中だったのであっという間でした(笑))
まあ、なんとなく海水を煮詰めれば塩ができるだろうなということはみんな知っていますが、実際にやってみる機会はそうそうないですからね。
ニガリをなめてめっちゃ苦かったり、「海水から塩できるんじゃない?」程度の知識よりはるかに多い経験ができたんじゃないかな?と思います。
そのままそこでお昼ご飯もいただきました。
南知多ビーチランド
次に南知多ビーチランドに行きました。
本当は16日にウミガメ放流&ふれあい体験の予定でしたが、それが中止になったので
今回はただ見るだけではなく、出来るだけ動物に触れ合えるようにしました。
(南知多ビーチランドがふれあいのイベントをたくさんしてくれているだけですが)
イルカに触ったり
(予想どおりのツルツルなんだけど、ヒレの部分は意外と硬かったです)
アシカに触ったり
(哺乳類だけあって毛もちゃんと生えています。)
アザラシに触ったり
(アザラシには耳たぶがありません。目の横に耳の穴が空いているだけです。アシカは耳たぶがあります。)
ペンギンに触ったりしました。
あとペンギンの餌やりも。
私は南知多ビーチランドは初めて来たのですが、こんなにいろんな動物に触れ合えるイベントがある水族館は珍しいと思います。
見るだけでなく触れると印象がまた全然違いますね。
そういう珍しいイベントだけでなく、普通に水族館としても楽しみました。
イルカショーを見たり(席は埋まっていたから後ろから立ち見)
ウミガメに餌をあげたりしました。
南知多ビーチランドは餌を買って、動物にあげることができるコーナーがたくさんありました。(全部あげてるとお金が…(でも私はいい稼ぎ方だなぁとちょっと感心しました。))
シーグラス探し
南知多ビーチランドを楽しんだあとは、近くの海岸でシーグラス探しをしました。
今回のはっけん授業の計画を立てている時にGoogleマップを見ていたら
「シーグラスの多い海岸」というのを見つけて、私はその時初めてシーグラスというものを知って、これは面白そうだから行こうと決めました。
シーグラスとは街で捨てられたビンなどのガラスのゴミが海に流れて、海で揉まれるうちに角が取れて丸みを帯びてきれいな色合いになったものです。
元はただのゴミですが、それがすごくきれいなものに変わります。
このシーグラス拾いは雨が降ったら中止と言っていたのですが、ビーチランドにいた時ちょっと小雨が降るたびに「シーグラス拾い行ける?」と何度も聞かれました。
それぐらいみんな期待していました。
しかし、私はみんなの期待が大きすぎるのが少し不安でした。
なぜなら、これの3週間前に下見に行って、曇り空の下おっさん一人でシーグラス探しをしたんですが、その時は45分ぐらいで10個ぐらいしか見つかりませんでした。
みんな山ほど宝物が取れるイメージでいるのですが、私は現実を知っているので、これはまずいかな〜と思っていました。
最初はなかなか見つからなくて、私が数個見つけたものをみんなにあげたりしていました。
(↑見つからなくて飽きかけてるから海に入る)
でもだんだんコツを掴むとみんな自力でまあまあ見つけられていました。
海の方や砂浜を探すより、貝殻が運ばれてきているような所を探した方が見つかりやすいとわかったら
下見の時の私よりも早いペースで見つけていました。
シーグラスは海から運ばれてくるので、満潮の時の波打ち際(貝殻が溜まっている所)を探すと見つかりやすいです。
収穫はこんな感じ↓
みんな私の予想以上に、シーグラスを集められましたし、満足してくれたのでよかったです。
シーグラスはこのようにきれいなんですが、環境のことを考えると本当はない方がいいものですからね
なんか複雑ですね。
私が気になるのはなぜここらへんの海岸にシーグラスが多いのか?ということです。
わずか数キロ先の「食と健康の館」の横にも海岸があるのですが、そこはシーグラスが落ちている気配は全くありませんでした。
しかも、このシーグラスの元のゴミはおそらく名古屋が主な原因でしょうけど、同じ伊勢湾の三重県側の海岸にはシーグラスが流れつかないのも不思議です。
おそらくそういう伊勢湾内の海の流れがあるんでしょうね。
シーグラスは考えれば考えるほどよくわからないことが多いですが(なんでこんなに広い海で、そこまで削れるのかもよくわからない。とんでもなく時間がかかりそう)
でもその謎に満ちている部分も含めてきれいですね。
みんなは単純に「キレイ〜」と思っているだけかもしれませんが、それはそれでいいかなと思います。
ネットで調べているとSDGsにつなげたりしていますが、あまりお勉強チックにしてしまうと、つまらなくなりますからね。(確かにいい教材だと思います)
今は宝探し感覚でやってもらって、後から(大人になってからで全然いい)振り返った時に「あれってなんか不思議だったな」と思ってもらえれば、それで成功かなと私は思います。
とりあえず、今回はみんな楽しんでくれたのでそれが一番よかったです。
楽しくないと記憶にも残りませんのでね。
理科で哺乳類を習った時に「あ、あの時、アシカに毛生えてたな」とか思い出して貰えば最高です。(でもイルカには毛が生えてない)
高校の化学でニガリ(塩化マグネシウム)が出てくると、よく「海の苦い成分」と先生が言ったりしますが、「いや、”超”苦いんやで」って思えるだけで化学も面白くなるかと思います。
みんなの記憶に残ってそうやっていつか思い出してもらえれば最高です。