今日のChicora学園(2/8)転生したら奈良時代の農民だった件

今日もわいわい授業がありました。

今日のお題は先週の水曜日とほぼ同じで「タイムスリップして奈良時代の農民になったらどう生きるか?」です。

火曜日は1年生が多いので、1年生の社会のテスト範囲の奈良時代にしました。

タイムスリップするのは743年、墾田永年私財法が発布された年です。

墾田永年私財法が発布され社会が大きく変わろうとしていく中で、どう生きていくかを考えてもらいました。

今日は光陵のテスト1週間前というのと、体調不良の子もいて、火曜日にしてはいつもより人数が少なめでした。

1チーム目

このチームは村長になるのを目標に生きていくという意見でした。

村長になれば、一人でできないことでも村人を動かしていろいろできることが増えますからね。

しかしいきなり村長にはなれないので、まずは畑を開墾すること路から始めます。

しかし道具もないので、どこかの村に行って最初は道具を借ります。

そして頑張って開墾して、お米をたくさん作って、村のために働いたり、村の行事に出て村人からの信頼を得ていきます。

そして最終的に村長になるそうです。

いきなり奈良時代に一人で行く設定なので、周りの信頼を得るのが一番大変ですし、そしてそれが一番大切なことだと思います。

だから信頼を得るというところをメインに考えてくれました。

2チーム目

こちらのチームは鍛冶屋を開くのが目標でした。

しかし、いきなり鍛冶屋はできないので、やはりまずは新しい土地を開拓するところから始めるそうです。

そしてしっかりお米を作れるようになって、生活が安定してきたら、現代の知識を使って鍛冶屋をするそうです。

このスライドには書いていませんが、銃の作り方はしっかり調べてくれていて、どうやって火薬を作るか?とかからしっかり説明してくれました。

それぐらいちゃんと知識があればうまくいきそうな気もします。

でも、質問で「鉄とかどうやって仕入れるんですか?そもそもその時代鉄があるんですか?」と聞かれてあまりうまく答えられていませんでした。

勝負の結果は1チーム目が勝ちました。

2チーム目はかなりしっかり調べていてくれましたが、1チーム目の方が内容面、発表面両方合わせてよかったかなと思います。

僅差の勝負でした。

ただ両チームもう少しいろいろ調べたり、深く考えられたんじゃないかな?と思います。

743年という墾田永年私財法が発布された年なので、墾田永年私財法は使うとして、奈良時代の農民の暮らしがどんなのかももっと調べると、リアリティが出たんじゃないかな?と思います。

農民と聞いて我々が想像する農民はたぶん江戸時代ぐらいの農民なんじゃないかな?と思います。

奈良時代の農民は江戸時代の農民とはおそらく全然違うと思います。

だからそういうリアルな奈良時代の農民のことを発表に盛り込めるとよかったかなと思います。

あと、墾田永年私財法が始まった頃はまだ全然なかったと思いますが、後々荘園(貴族やお寺に土地を寄進して、自分はそこで働く)が発達します。

荘園が発達するには、土地の広さに応じて税をとるようになったり、税金が払えず逃げ出す人がいたり、不輸不入の権ができたりの様々な要因があります。(墾田永年私財法ができた頃は人頭税)

だから734年から荘園を作るのは難しいでしょうが、荘園のように人を雇って自分の畑で働いてもらうとか、みんなの畑を合わせてみんなで共同作業をするとか、荘園とシステムを知っているからこそできる何かとかあってもよかったかもしれませんね。

つまり先の歴史を知っているので、そこから利用できそうなものはないかを考えらるともっとよかったかなと思います。

ちなみに743年は墾田永年私財法の発布ともう一つイベントがあります。

それが743年10月15日に出された「大仏造立の詔」です。(東大寺の大仏を作ると計画が発表された。)

それも入れてくれてもよかったかなと思います。

このお題は743年の11月にタイムスリップするというものでした。

みんなには墾田永年私財法は743年の5月に発布と伝えていました。

でも「もう一つイベントがあったから11月にしてる」とも伝えていましたが、どちらのチームもそのヒントは使ってくれませんでした。

まあ、一農民が大仏のことに関わっていくのは難しいですが。

だからもう少し歴史のことを調べて考えられるとよかったかなと思います。