今日のChicora学園(7/28)理科実験その1 後半

木曜日はいつも生徒が一番多いのですが、今日は県大会に行っている子も多くて、いつもの木曜日より人が少なかったです。

県大会出場はすごいですね。がんばって勝ち進んでほしいなと思います。

昨日理科実験があって、昨日は前半について書きました。

今日はその続きを書いていきます。

理科実験は全部で3回あって、昨日はその1回目です。

昨日は前半に「駐車場の土から土器を作ろう」ということで駐車場の土を水ですすいでねん土を集めました。

詳しくは昨日のブログをご覧ください。

後半は「植物の水野吸い方」を観察しました。

この実験はセロリを色のついた水に入れて、その水がどうやって吸われているか?を観察しました。

100均に売っているプリンターの詰め替え用インクを薄めて、赤い水と青い水を作っています。

(絵の具では絵の具の分子が大きすぎて、植物が吸えないそうです。)

結構な速さで吸い上げますので、1時間もすれば葉が水の色に染まります。

(ちなみに葉っぱが染まっているところの写真を撮るのを忘れた。)

葉っぱが染まる頃にはセロリの茎の中をどう水が通っているかが観察できます。

セロリの茎の断面図がこんな感じ。

はっきりと水が通っている管(導管)がわかります。

茎を薄くスライスして

顕微鏡で観察します。

顕微鏡で見た結果がこちら

結構きれいに見えています。

中2で習うように維管束の半分が導管で、半分が師管となっているのがわかります。

理科の教科書に沿ってやるなら維管束がどう並んでいるか?導管はどちら側にあるか?などを調べるのですが

それは習えばわかる話なので、ちょっと別のことをしました。

というより、教科書通りにうまく維管束が並んでいるのを見るのは大変なので、諦めました。

これも休みの日に一人で実験の練習をしたのですが、花広場で安売りされている植物をいくつか買ってきて、色水につけて、切り刻んでいました。

いろんな植物で試しましたが、中が空洞になっていたり、茎の外側が硬くて切りにくくて切るときに潰れてしまったり薄くスライスできなかったり

教科書のようにきれいに写真が撮れる植物はなかなかありません。

たぶん教科書に載ってるホウセンカを使えばいいと思うのですが、花広場とかに探しにいってもホウセンカが見つからなかったので諦めました。

ただセロリは切りやすく、維管束も観察しやすかったので、セロリを選びました。

でもセロリは理科の教科書に載っているような丸い茎ではないので、教科書通りのことはできません。

だから教科書には載っていないようなことをしました。

植物は1本の茎から枝分かれしていきます。

枝分かれするとき導管はどうなっているのか?を調べました。

セロリの下の方を切ると(さっきの写真ですが)

こんな感じです。

セロリの上の方(枝が分岐する前、茎が一本のところの上の方)を切ると

こんな感じです。

上と下で導管の数を数えました。

そうすると上でも下でも導管の数は一緒です。

だいたいみなさん想像できると思いますが、下から上まで管が1本ずーっと繋がってるとわかります。

つまり一本の茎の途中では交わったり、途切れたり、分岐したりはないわけです。

では、枝分かれしたあとの細い茎を通る導管の数の合計はどうなっていると思いますか?

枝分かれするなら導管の数は増えるでしょうし、枝分かれせずに右の導管は右の枝に行って左の導管は左の導管に行ってという感じになっていれば導管の数は変わらないです。

それもみんなでがんばって数えました。

枝分かれした後はこんな感じ

この写真の枝の付け根の方は数えにくくて、切った枝のほうが数えやすいです。

数えた結果、導管の数は枝分かれした後の方が増えていました。

つまり、茎が枝分かれするとき導管も枝分かれするわけです。

ではどのように枝分かれするのか?

一番核となる枝分かれしている節を切って観察して見ます。

これはみんなも「Y字になってるんだろう」と予想してくれました。

しかしよく見ると違います。

確かにY字になっていますが、Y字の下に横向きの水の流れがあります。

それまでずっと下から上に流れてきて、枝分かれした後も下から上へ菅の中を通って行っていました。

でも、枝分かれのところだけ、横向きにも流れています。

もうちょっとわかりやすいのがこちら

縦に切った面と、横に切った面を同時に見るとわかりますが

枝の分岐点では一度導管が集まっています。

茎のところでは何本にも分かれていた導管が、枝の分岐のところではこのように完全にひとかたまりになっています。

こんなふうになっているとは私も全く知りませんでした。

ちなみにこれは切らなくてもわかります。

下は最初と同じ写真ですが

真ん中のセロリは下の茎のところを半分の割いて、左半分を赤い水、右半分を青い水に入れています。

このセロリは1時間後には全ての葉っぱが赤くなっていました。(青より赤の方が色が濃い?)

つまり、左の導管が左側の葉っぱに行って、右の導管が右側の葉っぱに繋がっているわけではなく

半分からしか吸わなかったはずの赤い水が、どこかで青い水と交わって、全体に行き届くようになっている

ということがわかります。

(葉っぱが全部赤くなっている写真を撮っておけばよかったけど、その写真を撮るのを忘れた。)

導管がどこかで交わる仕組みがあることは私は全く知りませんでした。

もしかするとこれはセロリだけの話かもしれません。

セロリは他の植物と違って枝分かれするところに明らかな節がありますからね。

そういう節があると全部の導管を集合させやすいと思います。

でも、節がない植物は導管を集めるタイミングが難しいですよね。

他の植物だとどうなのかも調べてみたいですね。

でもセロリの「半分から吸った水が、葉全体に行き渡る仕組み」は非常に理にかなっているので、他の植物にもあるんじゃないかな?と思います。

理にかなっていると思う理由は、

もし茎が半分傷ついてしまったとき、全体に行き渡らせる仕組みがないと半分が枯れてしまうことになりますからね。

そうなってしまうことは防ぎたいので、どの植物も導管が交わるところは持っているんじゃないかな?と思います。

学校では「導管を茎の内側にすることで、傷ついたときに導管を守りやすい」とは習います。

でもたぶん導管が数本切れても植物全体に水を行き渡らせる工夫が植物の中にはあるのだと思います。

私は教科書に載っていないことが調べられたので、結構満足(もっと調べたいことはあるけど)してるんですが

今日来ていたメンバーが中2以下でみんなまだ理科で導管のことを習っていなくて、私のこの感動がいまいち伝わっていない感じでした(笑)

教科書が変わる2年前まではこの話は中1の最初に勉強するところでしたが、2年前から中2で習うようになりました。

で、中2もまだ植物のつくりを習っていないので、誰も「導管」という言葉も知らない状態でした。

だから何を教科書で習って何を習わないかも知らない状態です。

なので私の感動が伝わらないのも仕方ないですね。

ちなみに節のところを切るのは練習とか一切していなかった、ぶっつけ本番の実験でした。

前日の夜にふと思いついたから、当日急いで実験方法の紙を書き換えて、やってみただけです。(失敗したら失敗したでいいやと思っていました。)

だから私は切るたびに(教科書には載っていない初めてのものを見るので)「スゲー!」って言っていたのですが、誰にもすごさが伝わっていない感じでした。

私は教科書に載っていないこともわかって、すごく楽しかったのですが

みんなはみんなで顕微鏡でいろいろ見れて楽しかったのかなと思います。

感じたことは違いますが、楽しくやってくれればそれでいいかなと思います。

ちなみに実験が終わった後もみんな顕微鏡を使いたがっていろいろ切り刻んで見ていました。

葉っぱの断面も見てみたら、教科書に載っているレベルにきれいな写真が撮れたので最後にそれも載せておきます。

葉っぱの葉脈のところです。

葉っぱの上側に導管、下側に師管が来ているのがわかります。

導管、師管の位置関係もわかってめっちゃきれいな写真だなと、一人で感動していたのですが

これも誰にも伝わりませんでしたね(笑)

これを見たとき小学生の子は「ピント合わすのめっちゃ早くなった!」と喜んでいました。

私とは全然違うところで喜んでいて、それはそれで面白かったです。